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ほんまもんの味を、泉州から全国へ。南漬物株式会社の「水なす漬」が生む、伝統と革新の美味しさ

ぐるめ

大阪・泉州の夏の風物詩といえば、水なす。なかでも貝塚市の【南漬物株式会社】は、その伝統を受け継ぎつつ、現代の食卓にも合う“ほんまもんの味”を届ける老舗漬物メーカーだ。創業1976年、約半世紀にわたり「手間ひま」と「誠実さ」を守り続けてきた企業である。

泉州の風土に育まれた「水なす」文化

大阪府南部・泉州地域は、古くから水なすの名産地として知られる。柔らかく、皮が薄く、みずみずしいその実は“食べる水”とも称されるほど。南漬物株式会社では、この地元・三色浜産を中心とする厳選水なすを使用している。生産農家と連携し、その年の気候や収穫時期を見極めながら、最も食感と甘味のバランスが取れた果実だけを選び抜くという。

創業者であり現代表の南正二氏は、泉州の水なす文化を全国に伝えることを志し、1976年に会社を設立した。当時はまだ家庭用冷蔵流通が限られた時代。漬物を“生鮮食品のように新鮮に”届ける挑戦が始まった。

手間を惜しまない。職人仕込みのぬか漬け

南漬物の特徴は、何よりも「手作業による仕込み」だ。一つ一つの水なすを丁寧に塩もみし、無添加の米ぬかと赤穂塩で漬け込む。保存料、甘味料、酸化防止剤などは一切使用しない。使用する米ぬかは、国産の香り高いものを厳選。塩も、やさしい旨味で知られる赤穂産を採用している。

さらに、同社独自の“生きたぬか床”には豊富な乳酸菌が息づき、漬け込まれた水なすはまるでフルーツのようなジューシーさを纏う。
口に含むと、ほんのりとした酸味とぬかの香りが広がり、皮の柔らかさと果肉の甘みが一体となる。まさに「野菜のデザート」と呼びたくなる味わいだ。

バリエーション豊かな商品と販路の広がり

主力商品の「水なすぬか漬」を筆頭に、胡瓜漬、白菜漬、たくあん、キムチなど、多彩なラインアップを展開。伝統製法をベースにしながら、季節ごとの素材を生かした浅漬シリーズも人気だ。

業務用卸にも強く、学校・病院給食や外食産業など、食の現場に安心安全な漬物を提供。また、百貨店でのギフト販売やオンライン通販も充実しており、ふるさと納税の返礼品としても高い評価を得ている。特に「南漬物の水なす漬」はレビュー評価4.6以上と、全国のファンから厚い支持を受けている。

評判に支えられた“ほんまもん”の信頼

店舗は貝塚市小瀬にあり、倉庫を思わせる外観ながら、店頭での小売販売も行っている。地元の常連客を中心に「一度食べたら忘れられない」「ご飯にもお酒にも合う」と口コミが広がり、遠方から訪れるファンも増加中だ。口コミサイトでも「果汁のようにみずみずしい」「贈り物にすると必ず喜ばれる」といった声が目立つ。

こうした評価の背景には、“飾らない真面目な仕事”がある。大量生産ではなく、あくまで人の手で確かめ、人の目で仕上げる。その誠実なものづくりが、南漬物のブランドを支えている。

未来への展開――健康と伝統の両立を目指して

南漬物株式会社は今後も「安心・安全・健康」をキーワードに、漬物文化の再発信に取り組む。米ぬかの持つ高い栄養価に注目し、“発酵×健康”をテーマとした新商品の開発や、SNS・モバイルを活用した若年層へのPRも強化中だ。
また、テレビ・ラジオ・雑誌などのメディア露出も積極的に行い、「水なす=泉州」「ぬか漬=南漬物」というブランド確立を目指している。

まとめ:泉州の誇りを、ひと口に込めて

南漬物株式会社は、創業以来変わらぬ手作業と天然素材へのこだわりで、泉州の味を守り続けてきた。
その味わいは懐かしくも新しく、時代を超えて多くの食卓を彩っている。
一口食べればわかる“ほんまもんの味”。それは、職人たちの誠実さと泉州の風土が育んだ、南漬物だけの逸品である。


会社情報

社名:南漬物株式会社(みなみつけもの)
カテゴリ:漬物製造
所在地:大阪府貝塚市小瀬1丁目24-10
公式サイト:https://mizunasu.com/

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ライター

魚好きが高じて北海道から九州まで全国を駆け回り、その土地ならではの美味しい魚を食べ歩くドライバー型ライター。市場の朝獲れ情報から隠れた名店まで、鮮度抜群の情報をお届けします!

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