テレビCM、インターネット広告、SNS上のプロモーション——私たちの日常生活において、さまざまな形態の広告が情報源として重要な役割を果たしています。商品選びの参考となる一方で、その内容や表現方法については様々なご意見があることも事実です。
今回、ロコトク会員の皆様を対象に実施した第106回アンケートでは、「CM・広告」をテーマに、接触状況、購買行動への影響、信頼性の評価など、多角的な視点から調査を行いました。本レポートでは、その結果を詳しくご報告いたします。
1. CM・広告との接触状況
【設問1】CM・広告は主にどこで目にされていますか?

デジタルメディアの普及が進む現在においても、テレビが最も高い接触率を示しました。特に40代・50代の方々にとって、自宅でくつろぎながら視聴するテレビは、依然として主要な情報源となっているようです。
一方、SNSやインターネット広告も一定の割合を占めており、複数のメディアを通じて広告に接触する「マルチチャネル」の傾向が見られます。
2. CM・広告が購買行動に与える影響
【設問2】CM・広告をご覧になって、実際に商品を購入・利用されたことはありますか?

【設問3】CM・広告をきっかけに購入された商品について、満足度はいかがでしたか?

調査の結果、回答者の半数以上が「CM・広告を見て実際に商品を購入した経験がある」と回答されました。さらに、そのうちの多くの方が購入後の満足度について「買ってよかった」と肯定的に評価されています。
これは、CM・広告が単なる情報提供にとどまらず、消費者の皆様が新しい商品やサービスと出会うきっかけとして、実質的な役割を果たしていることを示しています。
3. 購買行動を促したメディアの種類
【設問4】実際に商品の購入や利用につながったのは、どのメディアのCM・広告でしたか?

購買行動に最も影響を与えたメディアとして、ここでもテレビが上位に挙げられました。「テレビで紹介されていた商品は信頼できる」「多くの人が目にしているという安心感がある」といった心理的要因が、購入の後押しとなっているようです。
加えて、SNS広告やインターネット広告も、特定の年齢層や商品カテゴリーにおいて購買行動のきっかけとなっており、メディアごとに異なる特性と強みがあることが分かります。
4. 広告内容で重視される情報
【設問5】CM・広告をご覧になる際、特に注目される情報は何ですか?

最も注目度が高かったのは、商品の「機能性」と「価格」でした。
「本当に効果があるのか」「使い勝手は良いのか」といった実用的な情報を重視される傾向が強く、特に生活に密着した商品においては、具体的なメリットを求める姿勢が顕著に表れています。
また、キャンペーンやセール情報も購入を検討する上での重要な判断材料となっており、お得な情報への関心の高さがうかがえます。
5. CM・広告に対する全体的な印象
【設問6】CM・広告に対して、どのような印象をお持ちですか?

【設問7】スキップできないCM・広告(動画サイトなど)については、どのようにお感じですか?

全体としては、「情報収集に役立つ」という肯定的な評価が多く見られました。ただし、動画サイトなどで視聴を中断させる「スキップできない広告」については、一定数の方が不快感を示されています。
広告主側の「確実に情報を届けたい」という意図と、視聴者側の「コンテンツをスムーズに楽しみたい」という希望のバランスをどう取るかは、今後も課題として残るでしょう。
6. 出演者が購買意欲に与える影響
【設問8】CM・広告に出演するタレントやインフルエンサーは、商品への興味に影響しますか?

出演者による影響は、年代によって差が見られました。
好感度の高いタレントや専門家が出演している場合、商品への信頼感が高まるという回答が一定数あり、「誰が推薦しているか」という要素も、購買判断の一因となっていることが分かります。
7. 信頼できる広告媒体
【設問9】最も信頼できると感じるCM・広告は、どのメディアのものですか?

情報が溢れる現代において、消費者の皆様が最も重視されているのは「信頼性」です。
調査結果では、テレビCMへの信頼度が高く評価されました。長年にわたって視聴されてきたメディアとしての実績や、一定の審査基準が存在することへの安心感が、信頼につながっていると考えられます。
一方で、「誇大広告ではないか」「本当に効果があるのか」と慎重に見極める姿勢も見られ、消費者の皆様が情報を批判的に評価する力を持たれていることが分かります。
8. CM・広告に対する要望
【設問10】CM・広告について、改善してほしい点をお聞かせください
最後に、自由記述で寄せられた主なご意見をご紹介します。
- 情報の明確化を求める声
「商品の特徴や価格を分かりやすく、簡潔に伝えてほしい」というご意見が多く見られました。イメージ重視の演出よりも、実用的な情報を求める傾向が強いようです。 - 誠実な情報提供への期待
「メリットだけでなく、デメリットや注意点も正直に伝えてほしい」「誇大表現を控えてほしい」といった、誠実なコミュニケーションを求める声が目立ちました。 - ユーザビリティの改善
「インターネット広告の閉じるボタンが小さく押しにくい」「突然大音量で再生される広告に驚く」など、広告の表示方法や操作性に関する具体的な改善要望もありました。 - 商品本位の広告を希望
「タレントの起用よりも、商品そのものの良さを伝える内容にしてほしい」という声も複数寄せられ、本質的な情報を重視する姿勢がうかがえます。
まとめ
今回の調査を通じて、CM・広告が消費者の皆様の購買行動に大きな影響を与えている一方で、その内容や表現方法については、より誠実で分かりやすい情報提供を求める声が強いことが明らかになりました。
特に40代・50代の方々は、長年の消費経験から培われた確かな判断力をお持ちで、広告情報を冷静に評価されています。企業側には、こうした成熟した消費者の視点を尊重し、信頼関係を築く姿勢が求められているといえるでしょう。
今後も、消費者の皆様にとって有益な情報との出会いの場として、CM・広告がより良い形で発展していくことを期待します。
本調査にご協力いただきました皆様に、心より感謝申し上げます。
